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民法ノート2
その6 代理
<代理>
- 代理制度
- 代理人が法律行為をし、効果は本人が取得
私的自治の拡張・補充の意味をもつ
- 代理人とは
- 本人に代わって意思決定をし、代理行為をする者
- 任意代理人・・・・本人の信任を受けた者
代理権・・・・本人との定めた範囲、もしくは、、
- 保存行為(103-1)財産の現状維持
(家屋の修繕、期限がきた債務の弁済など)
- 利用行為(103-2)財産の性質を変えずに収益を図る
(現金を銀行預金にする・物の賃貸)
- 改良行為(103-3)財産の使用価値、交換価値を増加させる
(家屋に造作を加える・無利子預金を利子付にするなど)
※処分行為は出来ない(財産の現状を変更すること)
→不利益をもたらすかもしれないもの
- 法定代理人・・・・法律の規定による者(親権者(818)成年被後見人(840)など)
代理権・・・・各法律によって決まる
- 管理人の権限(28) 若しくは上記任意代理人の権限である、保存・利用・改良行為をしてもよい
- 親権者の代理権(824)
- 後見の代理権(859)
- 代理人の要件
-
- 能力者であることを要しない(102)但し意思能力は必要
(法定代理人、代理人、保佐人の同意が必要(制限能力者の場合))
- 親権者になる場合(833)、後見人になる場合(847)は、一定の能力が必要
- 禁止行為
-
- 自己契約・・・・本人と代理人の契約
- 双方代理・・・・契約当事者双方の代理人になること
※ 但し例外として、債務の履行など本人の利益になる場合は良い(108但)
<復代理>
代理人が代理人を選任 → 復代理人=代理人と同一の権利・義務を負う
「復任権」
- ○任意代理人
-
- 本人の許諾を受けた時、やむをえない時のみ復代理を選任できる(104)
- 本人に損害を与えた場合、 選任・監督に落度があるとき責任を負う(105-1)。但し、本人が復代理人を選んだ場合は、もっと責任が軽い(105-2)
- ○法定代理人
-
- 自由に復代理人を選任(106)
- 本人に損害を与えた場合、全面的に責任を負う。ただし、やむを得ず選任した時は、選任・監督に落度があるときに限り責任を負う(105-1)(106但)
復代理権の消滅事由
- 代理人の代理権の消滅(107)
- 代理人・復代理人の授権契約の終了
<代理行為>
要件
- 本人のためであると表示すること(99)
→(「代理人である」と言うこと)顕名(けんめい)
- 法律行為が有効に成立すること(101)
代理人について判断される・・・・虚偽表示・錯誤⇒無効
詐欺・脅迫・・・取消(本人が決める)
- 代理権の存在
<無権代理>
代理行為要件の“代理権の存在”が欠けている
- 効果
-
- 原則として何の効果も生じない
しかし、本人が希望した場合、追認できる(113)
→行為のときにさかのぼって有効
- 相手は善意・悪意に関わらず、追認するかどうかの催告ができる(催告権114)
- 善意の相手方は、本人が追認する前なら取消しできる(取消権115)
- 無権代理人の責任
-
- 本人が追認しなかった場合の相手方への保護
※相手方が善意・無過失の場合
債務履行または損害賠償の責任を負う(117・1)←無過失責任である
<表見代理>
相手方に代理権の存在を信じさせる場合・・・相手方保護のための制度
- 本人⇔相手方・・・有権代理と同じ扱い
- ※ 本人が損をした場合、本人は表見代理人に損害賠償請求できる(709)
※表見代理人は表見代理の成立を主張できない
- 代理権授与表示による表見代理(109) (本人が責任を負う)
- 代理権ゆ越による表見代理(110)
- 代理権消滅後の表見代理(112)
→上記3つとも、相手方の善意無過失が必要
<代理権の消滅>
-
- 本人の死亡(111-1)
- 代理人の死亡(111-2)
- 代理人の後見開始または破産(111-2)
→本人が承知の場合はなれるが、途中で破産した場合は消滅する
- 委任による代理人に特有の原因(111-2)
→本人の破産(653)・・委任契約の場合(破産管財人が管理するから)
→委任の解消(651)・・委任契約の解除
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その7 無効と取消、そして、追認
<無効とは>
一応、成立している法律行為を、初めから効力がないものとして取扱うこと
誰でも主張でき、期間制約もない
- ◇法律行為が無効となる場合
-
- 目的・内容に欠陥
- 内容が不確実な場合(売買の目的物は何かわからない)
- 内容が現実不可能な場合(目的物が契約当時すでに焼失)
- 目的・内容が強行法規違反(公の秩序に関する規定「物権」「身分法」など)
- 目的・内容が公序良俗違反(妾関係契約・賭博用の金銭賃貸など)
- 当事者の意思に欠陥
- ◇絶対的無効
- 誰が誰に対してでも、いつでもできる無効(強行法規違反や公序良俗違反)
- ◇相対的無効
- 無効を主張するのに制限がある
- 特定人に対して主張できない
通謀虚偽表示の無効は善意の第三者に対して主張できない(94-2)
- 特定人しか主張できない
- 錯誤による無効は、錯誤した表意者が主張しなければならない
但し、表意者に対する債権を保全する人は、表意者が「要素の錯誤」を認めている時は主張できる(不利益とは限らないから)
- 重過失があるときは主張できない
- 不確定な無効
- 一応無効(追認・取消し)としても、無権代理人がした行為は追認または取消しされる可能性がある
<取消しとは>
一応有効に効力を生じた法律行為を、初めから効力が生じなかったものとする意思表示
- ○取消権者
-
- 一定の取消権者だけが取消しを主張できる(120)
(制限能力者・瑕疵ある意思表示をした者・代理人・承継人・保佐人・補助人など)
- ○取消権の消滅
-
- ○取消しうる場合
-
- 制限能力者のなした行為(4.9.12.16.120-1)
- 瑕疵ある意思表示(詐欺・脅迫)をした場合(96.120-2)
- ☆効果:初めから無効とみなされる(遡及効(そきゅうこう)(121))
⇒全てを元に戻すが制限能力者は現存利益についてのみ返還義務を負う(121但)
<追認>
- ◇無効行為を追認すると?
-
- 行為の時にさかのぼって有効となる
(強行法規・公序良俗に違反した行為は追認できない)
- ◇取消行為を追認するときは?
-
- 取消しの原因である状況がやんだ後にしなければならない(124-1)
- 追認権者
- 制限能力者⇒能力者となったあとは単独で追認(124-1)
未成年⇒成年となって追認
成年被後見人⇒審判が取消され、その行為がある事を知って追認
- 瑕疵ある意思表示をした人
詐欺を知ったときから追認
強迫による恐怖から脱したときから追認
- 1と2の代理人・保佐人・補助人・承継人
※取消行為追認の効果:確定的に有効になり、追認でその行為は取消できなくなる
- ◇法定追認とは?
- 取消しうる行為について履行や履行の請求など、 一定の事実があった場合法律上、追認があったと認める(125)
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その8 期限と期間
<期限>
<期間>
- 《時間》
-
- 《日・週・月・年》
-
- 初日は入れない(140)
- 午前0時からの時のみ初日を入れる(140但)
- 《暦》
-
- 暦に従う(143-1)
- 起算日に応答する日の前日(143-2)
- 応答日のないときはその月の末日(143-2但)
- 《年齢》
-
その9 時効とは?
<時効制度の意味?>
法律関係の安定、権利の上に眠らせない 立証困難の克服
もっと詳しい時効についてのページはこちら
- ○時効の効力:起算日にさかのぼる(144)
-
- 取得時効の起算日・・時効により取得できる権利の行使をはじめた日
(勘違いして占有した日から果実はもらえる)
- 消滅時効の起算日・・時効により消滅する権利を行使できるようになった日
- 支払期日など(それまでに発生した利子は払わなくてよい)
- 期限の定めのないものは債権成立時
- 不履行・履行不能の賠償請求のときは履行請求できるときから
- 契約・解除による原状回復請求のときは解除のときから
- ○時効の援用:時効の完成を主張(145)することが必要
- ○時効の放棄:時効による利益を受けないと主張すること。
- 但し、時効完成前にあらかじめ放棄することはできない。
放棄を主張する者にのみ効力を生じる
- ○時効の中断:中断によって、時効の進行は振り出しに戻る。
- 当事者と承継人の間においてのみ効力が生じる(148)
- 請求(147-1)
- 裁判上の請求
(訴えが却下されたり、取り下げられたら中断しない)
- 催告・・相手方に催告が到達してから6ヶ月以内に裁判上の請求をしなければならない(153)
⇒催告したときにさかのぼって中断される
- 差押え(147-2)・・金銭債権の強制執行のため、
債務者の財産処分を禁止する
- 仮差押え・・・・金銭債権執行するときに備えて債務者の財産を保全しておく
- 仮処分・・・・金銭債権以外の債権を執行するときに備えて目的のものを保全しておく
- ※留置権行使では中断されない
- 承認(147-3)・・・権利を失う者が相手の権利を認めること
管理能力・権限は必要 処分能力・権限は不必要
↓
- 被保佐人は承認出来る
- 成年被後見人は取消可
- 未成年(同意なし)は取消可
- ○時効の停止(158〜161):中断手続きをとれない場合、
- 一定期間時効の完成を猶予する(天災その他の事変)
確定日付のある書面で6ヶ月停止させることができる
<取得時効>
時が経過して権利を得る
- ◇所有権(162)
-
- 時効期間が20年
- 所有の意思をもって目的物を占有すること
- 平穏かつ公正であること(狂暴でなく、占有・保持を隠さないこと)
- 時効期間が10年
- 2と同上
- 占有の初めに善意、無過失であること
(自分に所有権があると思うこと。そう思うことに過失がないこと)
- ◇所有権以外(163):地上、永小作、地役、不動産賃借権
-
- 時効期間が20年
- 「自己のためにする」意思を持って権利を行使すること
- 平穏かつ公正
- 時効期間が10年
- 2と同上
- 権利を行使し始めたときに善意・無過失であること
※留置権では時効取得が認められない
<消滅時効>
時が経過して権利を失う
- ◇債権
-
- ◇(債権または所有権)以外の財産権:用益物権や抵当権
-
- 20年行使しないと消滅(167-2)
- 地役権の場合、一部を行使しないときはその部分だけ消滅(293)
- 所有権は時効によって消滅しない
- ◇所有権
-
- ○ 短期消滅時効
-
- 運送費(1年)・宿泊料・飲食料(1年)・工事請負代(3年)・アルバイト代(2年)
- 一般売買10年、商事時効5年
- しかし、確定判決によって確定されると10年になる(174-2-1)
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