動物愛護管理法の解説。犬、猫、うさぎなどペットのトラブル。アパート・マンションでの迷惑。ケガさせた、ケガさせられた等  行政書士高田事務所・内容証明研究会
ペットトラブル、犬猫
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人にケガをさせたトラブル

散歩中などに人を噛んだり、吠えたりして、ケガをさせてしまった場合、ケガをしてしまった場合のトラブル対処法です。

  1. すれちがいざまに、突然犬が噛んだ
  2. 大型犬が突進してきて、激突した
  3. 突然吠えた声に驚き、人が転んだ
  4. 損害賠償請求(補償範囲や、加害犬が複数のとき)
  5. 刑事上の責任(過失の場合・故意の場合)
  6. 条例による罰則

すれちがいざまに、突然犬が人を噛んだ

歩道などを散歩中に、それまでおとなしく歩いていた犬が、突然、すれちがいざまに、人に噛み付くことがあります。

普段、そのようなことがない場合、飼い主も驚きを隠せません。

飼っている動物が他人に危害を加えた場合、損害賠償を負う義務があります。ただし、動物の種類や性質に従い「相当の注意」をもって管理していたのであれば賠償の責任を問われることはありません。

しかし、、、

環境省では「家庭動物等の飼養および保管に関する基準」(平成14年5月28日環境省告示第37号、平成18年1月20日1部改正)では、次のように規定しています。

犬の所有者等は、犬を道路等屋外で運動させる場合には、次の事項を遵守するよう努めること。
(1) 犬を制御できる者が原則として引き運動により行うこと。
(2) 犬の突発的な行動に対応できるよう引綱の点検及び調節等に配慮すること
(3) 運動場所、時間帯等に十分配慮すること。
(4) 特に、大きさ及び闘争本能にかんがみ人に危害を加えるおそれが高い犬(以下「危険犬」という。)を運動させる場合には、人の多い場所及び時間帯を避けるよう努めること。

(2)にあるように、飼い主は犬の突発的な行動に際してもきちんと対応するように求められていますので、単にリードをつけて散歩していたからといって相当の注意義務を払っていたとは認められないでしょう。

リードをしっかりと持ち、「相当の注意」をもって管理していたと、飼い主は考えるかもしれませんが、犬が、すれ違う人に噛み付くことができる距離で散歩していた、また、しつけがなされていなかったと、考えられますので、犬のコントロールができていないかったとみなされます

損害賠償請求の内容としては、 @怪我の治療費 A治療のための通院にかかかる交通費 B怪我によって仕事ができなくなった場合の休業損害 C慰謝料 などです。

最初は当事者同士の話し合いになりますが、相手が不誠実な態度を示すようであれば、話し合いの経緯を証拠に残すためにも、内容証明郵便などで、請求事項をまとめ、書面交渉をしていくことをおすすめします。また、それでも、合意・示談に至らない場合は、調停や訴訟を起こすことになります。

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大型犬が突進してきて、激突した

大型犬をノーリードで散歩する飼い主は少ないですが、少し大きめの公園では、リードをきちんと持たずに大型犬を遊ばせている飼い主もいます。

大型犬だけでなく、犬を放していたために突進してきて、激突されたのであれば、これは、100%犬の飼い主が責任を取るべきでしょう。

もちろん、損害賠償を請求することができます。

また、リードで繋がれたまま、飼い主が引きずられながら犬が突進してくる場合もあります。この場合も、飼い主が、犬をコントロール・しつけがまったくできていない状態で散歩しているわけですから、飼い主に責任があります。

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突然吠えた声に驚き、人が転んだ

犬が危害を加えるつもりはなくても、突然おおきな声で吠え、その吠え声に驚いて転んでしまう老人や自転車が、たまにいます。

そのせいでその人がケガをしてしまった場合は、やはり、犬の飼い主に責任があると言えます。

この場合、飼い主も被害者のような気持ちになるでしょうし、勝手に転んで勝手にケガをした人の損害賠償請求を受けるのはやりきれないかもしれません。

それでも、突然吠える、という行動が、しつけがしっかりなされていないと見られるのです。

ただ、本当に吠え声が原因で転んだのか、同じタイミングで勝手につまづいたのではないか、などは、確認するようにしてください。

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損害賠償請求

ペットの飼い主は、その犬がリードをつけずに放し飼いにされていたなど、飼い主が注意義務を怠っていた場合に人を傷つけてしまった場合には、動物の占有者として被害者に対して損害を賠償する責任を負います。(民法718条)

被害者は、飼い主に対して損害賠償の請求をすることができます。

ただし、きちんとつながれていた犬をかまおうとして噛まれてしまったなどの場合は、噛まれた人にも責任がありますので、過失割合により損害賠償請求の金額は減額されることがあります。

反対に、飼い主がわざと犬をけしかけてケガをさせた場合は、ペットを道具や凶器として利用していると考えられますので、この場合、一種の有形力、つまり暴力行為と捉えられ、飼い主は不法行為を行なったとされ、その損害を賠償しなくてはいけません。

補償の範囲

損害賠償請求できる具体的な内容は、怪我の治療費、病院への入院費や通院費などがあります。

さらに、怪我のために仕事を休まなければならなくなった場合には、休業補償としてその損害も請求できます。

また、傷跡やしびれが残るようであれば、後遺症による損害を要求することもできます。これを後遺症による逸失利益と言います。後遺症による逸失利益というのは、後遺症によって事故以前の仕事をすることができなくなり収入が減ったことによる利益の損害です。

この場合、後遺症の等級を医師に認定してもらうことが必要で、その等級に応じた金額を請求することになります。

なお、訴訟を起こした場合の弁護士費用については、弁護士との話し合いにより異なります。

共同不法行為責任

リードのついていない複数の犬に襲われ、そのうちのどの犬かはわからないが、噛まれてしまい怪我をさせられた場合は、被害者保護の観点から、複数の中の誰かしらの行為によって生じた損害については、その複数の加害者全員に対して連帯責任が生じ、全員が損害賠償責任を負うわなければなりません。(民法719条1項後段)

つまり、複数の犬に襲われた場合には、その犬の飼い主たちは共同の不法行為により損害を加えたものとして、連帯して損害を賠償する共同不法行為責任を負うことになりますから、どの犬が噛んだのかを特定する必要はありません

飼い主全員に均等分割した損害額を請求する必要はなく、仮に、支払い能力のない飼い主がいたとしても、支払い能力のある別の飼い主から賠償額の全額を受けることができます。

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刑事上の責任

刑法上では、飼い主の過失が重大なものであると判断された場合には重過失致傷罪(刑法211条1項後段)が、また、それほど重大ではない場合には過失致傷罪(同法209条)が成立します。

重過失致傷罪はについては5年以下の懲役もしくは禁固、または50万円以下の罰金、 過失致傷罪については30万円以下の罰金または科科が刑罰として科せられます。

なお、 過失致傷罪は親告罪となり、被害者の告訴が必要となります。

犬の飼い主が故意に犬をけしかけている場合は傷害罪

犬の飼い主が故意に犬をけしかけている場合は、犬を凶器として扱っているとみなされますから、仮にそのことによって他者が怪我をした場合には傷害罪が適用されます。(刑法204条)

このような事件が起きた場合には、警察に連絡して捜査をしてもらう必要があります。その時に警察を呼べなくても、後日、被害届を出したうえで告訴することもできます。

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条例による罰則

それぞれの地方自治体の条例によっては、犬が他者にかみついて怪我をさせたりした場合、飼い主に対して保健所への届出や獣医師の診断などを義務付けている条例があります。

これらの義務に違反した時には、条例の罰則規定にしたがって罰金等が科される場合があります。

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