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有責配偶者からの離婚請求は可能

  1. 有責配偶者からの離婚
  2. 有責配偶者からの離婚を認める条件(判例)
  3. よくあるケース
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有責配偶者からの離婚

婚姻関係が破綻した原因を作った者を有責配偶者といいます。「破綻した原因」とは、民法が定める離婚原因のことです。

原則的には、有責配偶者からの離婚請求は認められていません。

昭和27年2月1日の最高裁で、夫が勝手に情婦を持ち、妻を追い出すという離婚請求が認められるならば、妻は全く踏んだり蹴ったりであり、法はかくのごとき不徳義勝手気侭を許すものではないとして、有責配偶者からの離婚請求を棄却するという判決が出て以降、この判例は守られてきました。

しかし、昭和62年9月2日に、有責配偶者からの離婚請求であっても、一定の要件を満たせば認める判決が最高裁によって出されることによって、判例が変更されました。

これによって、それまで有責配偶者からの離婚請求が全く認められていなかったものが、事情によっては認めることもあるというようになってきました。

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有責配偶者からの離婚を認める条件(判例)

昭和62年の最高裁で有責配偶者からの離婚請求を認める判決が出ました。

有責配偶者から離婚請求するための3つの要件

  1. 夫婦の別居が、当事者の年齢及び同居期間との対比において相当長期間に及んでいること

    裁判所は「夫婦の年齢、同居期間と別居期間の対比が判断基準となる」としており、夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間との対比において相当の長期間に及んでいることとしました。

    最初に判例が出されたときは、別居期間が35年という長期間でしたが、最近では6年という短い期間で認められた例もあります。

  2. 夫婦間に未成熟の子がないこと

    一般的には20歳に満たない子を言いますが、既に働いていたり結婚していたりしている場合には未成熟の子とはなりません。

    反対に20歳以上でも学生であったり障害があったりするなどの場合で親の扶養が不可欠の場合には未成熟の子として扱われる場合があります。

    平成6年2月8日の最高裁の判決では、高校2年生の子供がいましたが14年という別居期間から有責配偶者からの離婚請求を認めました。

  3. 妻が離婚により精神的・社会的・経済的にきわめて過酷な状況に置かれる等離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情がないこと

    相手方配偶者が離婚により精神的、社会的、経済的に極めて苛酷な状況におかれる等、離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情が認められないこと。

    過酷状態とは、主に経済状態をみることが多いようです。何らかの事情で働くことができないなど、離婚によって生計が成り立たなくなる状態をいいます。

    ただし、慰謝料をもって解決できることも多いため、この要件を重要視する傾向は減ってきているようです。

以上のように、3つの要件を満たす場合には、例外的に有責配偶者からの離婚請求も認められるとしたのです。

この判決の事案は、夫が妻以外の女性と性的関係を持ち、妻と別居し、女性と生活を始めてから36年経過した後に離婚を請求したというものです。

これによって、有責配偶者からの離婚請求でも相応の事情がある場合には認められるようになってきましたが、あくまで例外的なものであり、原則としてはやはり有責配偶者からの離婚請求は難しいといえます。

また、

@相手方配偶者の有責行為から誘発され夫婦双方とも有責のケース
A有責事由が婚姻関係の破綻後に生じたようなケース

では、普通に、離婚が認められています。

また、最近では、別居期間が3年〜5年程度あれば、責任の如何を問わず、離婚できるような動きも見られます。

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よくあるケース

よくあるのは、不倫をした夫が不倫相手と一緒になりたいからと妻に離婚を申し出るパターンです。

これだけでは夫からの離婚請求は認められません。

しかし、夫が不倫に至った経緯によっては認められるケースもあります。

例えば、既に夫婦関係が破綻しており、相当期間の別居の末に不倫をしてしまった場合には、未成熟の子がいないなどの状況にもよりますが離婚が認められる場合もあります。

ただし、単身赴任などではなくあくまでも夫婦関係が破綻した上での別居期間が10年以上あるなど、不倫が夫婦関係の破綻の原因ではないことを証明する必要があります。

では、不倫をしたのは妻が家事や育児をちゃんとやらなかったからだというのはどうでしょうか。家事育児をしないというのは、民法が定める離婚原因ではありませんし、妻一人が行うものでもありません。ですので、これを理由に不倫をした者が離婚請求をすることはできません。

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