過失致死傷罪(業務上過失、重過失)の条文、時効、構成要件の条文、時効、構成要件

  1. 過失傷害罪(209条)
  2. 過失致死罪(210条)
  3. 業務上過失致死傷罪 (211条)業務上過失傷害罪・業務上過失致死罪
  4. 重過失致死傷罪(211条)重過失傷害罪・重過失致死罪
  5. 自動車利用時の過失致死傷罪(211条)
  6. 過失致死傷の罪で告訴するときの注意点

過失致死傷の罪(刑法209条~211条)の保護法益は、「 人の生命・身体の安全性 」です。

過失傷害罪のみ親告罪。過失致死・業務上過失致死罪は非親告罪。

過失致死傷の罪は、過失行為が原因となっている部分で、殺人の罪や傷害の罪とは、明白に区別されます。

1.過失傷害罪(209条)

刑法209条 条文

過失により人を傷害した者は、30万円以下の罰金又は科料に処する。

2  前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

過失傷害罪の構成要件と時効

過失傷害罪とは、一般的な注意義務に単純に違反したために、他人に傷害を負わせてしまった場合に成立する罪です。

一般的な「注意義務」とは、人の生命・身体の安全に配慮しなければならないという法的義務のことで、結果を予見する義務と、結果を回避する義務があります。

過失傷害罪の公訴時効は、3年です。過失傷害罪は、親告罪ですから、告訴時効があります。告訴時効は、犯人を知った日から6ヶ月が経過するまでです。犯人を知った後の6ヶ月経過後の告訴は無効とされますので、告訴する気があるなら早めにしましょう。

>>親告罪の告訴期間   >>告訴権者(告訴できる人)

2.過失致死罪(刑法210条)

刑法210条 条文

過失により人を死亡させた者は、50万円以下の罰金に処する。

過失致死罪の構成要件と時効

過失致死罪とは、一般的な注意・義務に単純に違反したために、他人を死亡させてしまった場合に成立する罪です。一般的な「注意義務」とは、人の生命・身体の安全に配慮しなければならないという法的義務のことで、結果を予見する義務と、結果を回避する義務があります。

過失致死罪の公訴時効は、10年です。

3.業務上過失致死傷罪(刑法211条)

刑法211条 条文

業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。

2  自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

業務上過失致死傷罪の構成要件と時効

  1. 業務上過失傷害罪
    業務上の注意義務違反によって他人に傷害を負わせてしまった場合に成立する罪
  2. 業務上過失致死罪
    業務上の注意義務違反で他人を死亡させてしまった場合に成立する罪

1.2.を、あわせて業務上過失致死傷罪といいます。「業務」とは、人が社会生活をする上で反復・継続して従事する仕事で人の身体・生命に危害を及ぼすおそれのあるもの。職業・営業でするかは問いません。(例)猟銃使用・医療行為など

業務上過失傷害罪の公訴時効は5年です。
業務上過失致死罪の公訴時効は10年です。

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4.重過失致死傷罪(刑法211条)

刑法211条 条文

業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。

2  自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

重過失致死傷罪の構成要件と時効

  1. 重過失傷害罪
    重大な注意義務違反の行為によって他人に傷害を負わせてしまった場合に成立する罪
  2. 重過失致死罪
    重大な注意義務違反の行為によって、他人を死亡させてしまった場合に成立する罪

1.2.をあわせて、重過失致死傷罪といいます。「重大な過失」とは、わずかな注意で予見・回避できたのに、その注意をはらわなかったものをいいます。

重過失傷害罪の公訴時効は5年です。
重過失致死罪の公訴時効は10年です。

5.自動車利用時の過失致死傷罪(刑法211条)

刑法211条 条文

業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。

2  自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

自動車利用時の過失致死傷罪の構成要件と時効

自動車の運転時に注意を怠り他人にケガをさせてしまったり、死に至らしめてしまった場合の罪です。ケガ(傷害)が軽い場合は、刑を免除されることもあります

自転車利用時の過失傷害罪の公訴時効は5年です。
自転車利用時の過失致死罪の公訴時効は10年です。

6.過失致死傷の罪で告訴するときの注意点

過失傷害罪は親告罪なので必ず告訴権者が告訴するようにして下さい。
>>告訴権者(告訴できる人)

注意義務(重大・業務上も)が必要である状況と注意すべき点を示し、それに対応した過失行為を具体的に記載します。また、業務上の場合には、「業務」に従事する者であることを具体的に示します。

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