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 成年後見制度解説 > 成年後見制度等関連四法 > 民法の一部を改正する法律の概要

民法の一部を改正する法律(平成11年法律第149号)の概要

  1. 禁治産制度及び準禁治産制度の改正
  2. 後見制度及び保佐制度の改正

禁治産制度及び準禁治産制度の改正

禁治産・準禁治産の制度を、各人の多様な判断能力及び保護の必要性の程度に応じた柔軟かつ弾力的な措置を可能とする制度とするため、補助・保佐・後見の制度に改めた。

補助(新設)

精神上の障害(痴呆・知的障害・精神障害・自閉症等)により判断能力(事理弁識能力)が不十分な者のうち、後記②又は③の程度に至らない軽度の状態にある者を対象とする。

家庭裁判所の「補助開始の審判」とともに「被補助人」のために「補助人」を選任し、当事者が申立てにより選択した「特定の法律行為」について、審判により補助人に代理権又は同意権・取消権の一方又は双方を付与する。

自己決定の尊重の観点から、本人の申立て又は同意を審判の要件とする。  なお、代理権・同意権の必要性がなくなれば、その付与の取消しを求めることができ、すべての代理権・同意権の付与が取り消されれば、補助開始の審判も取り消される。

保佐(準禁治産の改正)

精神上の障害により判断能力が著しく不十分な者を対象とする。単に浪費者であることを要件とはしない(浪費者の中で判断能力の不十分な者は保佐又は補助の各類型の対象となる。)。

家庭裁判所の「保佐開始の審判」とともに「被保佐人」のために「保佐人」を選任し、新たに、保佐人に同意権の対象行為(民法第12条(現13条)第1項(※))について取消権を付与した上で、当事者が申立てにより選択した「特定の法律行為」について審判により保佐人に代理権を付与することを可能にする。代理権の付与は、本人の申立て又は同意を要件とする。

(※)民法第12条(現13条)第1項各号(保佐人の同意を要する行為)についても、遺産分割の明文化等の所要の改正を加えた。

後見(禁治産の改正)

精神上の障害により判断能力を欠く常況に在る者を対象とする。  

家庭裁判所の「後見開始の審判」とともに「成年被後見人」のために「成年後見人」を選任し、成年後見人は広範な代理権・取消権を付与されるが、新たに、自己決定の尊重の観点から、日用品の購入その他日常生活に関する行為を本人の判断にゆだねて取消権の対象から除外する。

後見制度及び保佐制度の改正

配偶者法定後見人制度の廃止

配偶者が当然に後見人・保佐人となる旨を定める現行規定を削除し、家庭裁判所が個々の事案に応じて適任者を成年後見人・保佐人・補助人(以下「成年後見人等」という。)に選任することができるようにした。

複数成年後見人制度の導入及び法人成年後見人制度の明文化

  1. 複数の成年後見人等を選任することができるようにするため、後見人の人数を一人に制限する現行規定の対象を未成年後見人に限定し、成年後見人等が数人ある場合の権限の調整規定を設けた。
  2. 後記③の規定中に成年後見人等となる者が法人である場合の考慮事情を掲げることにより、法人を成年後見人等に選任することができることを法文上明らかにした。

成年後見人等の選任の考慮事情の明文化

本人との利益相反のおそれのない信頼性の高い個人又は法人が成年後見人等に選任されることを手続的に担保するため、成年後見人等の選任に当たって家庭裁判所が考慮すべき事情として、「成年後見人等となる者の……本人との利害関係の有無(成年後見人等となる者が法人であるときは、その事業の種類及び内容並びにその法人及びその代表者と本人との利害関係の有無)」、「本人の意見」等の事情を法文上明示的に列挙した。

身上配慮義務及び本人の意思の尊重等

自己決定の尊重及び身上監護の重要性を考慮して、現行民法第858条の規定に代えて、成年後見人等は、その事務を行うに当たっては、本人の意思を尊重し、かつ、本人の心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない旨の一般的な規定を創設する。また、身上監護に関する個別的規定として、成年後見人等による本人の居住用不動産の処分について、家庭裁判所の許可を要する旨の規定を新設した。

監督体制の充実

成年後見監督人に加えて、保佐監督人・補助監督人の制度を新設するとともに、成年後見人等を選任する場合と同様の考慮事情(前記③)を規定することにより、法人を成年後見監督人・保佐監督人・補助監督人(以下「成年後見監督人等」という。)に選任することができることを法文上明らかにするなど、所要の規定の整備を行った。



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