行政書士小野総合法務事務所

 成年後見制度解説 > 任意後見制度と契約 > 任意後見契約締結に当たって

必読!任意後見契約締結前に知っておく事

  1. 任意後見人は代理権しかないが・・・
  2. 後見人・後見監督人に報酬を払わなければならない
  3. 判断能力が低下する前から財産管理の必要がある場合とは?
  4. 自分が死んだ後の葬儀や埋葬のこと、相続方法も決めたい場合

任意後見人は代理権しかないが・・・

任意後見契約締結に当たって、本人(委任者)は何を任意後見人(受任者) にお願いしておくべきかを十分に検討する必要があります

また、任意後見人には、『本人』に代わって委任された事を行う代理権しかないことに注意してください。法定後見のような同意権取消権はありませんので、 『本人』が悪徳商法にはまってしまっても、任意後見人がそれを取り消すことはで きません

必要もない代理権を与えないこと

任意後見契約には、「代理権目録」が添付されます。その目録に後見人へ与える権限を記載しますので、目録を十分に確認しましょう。
  たとえば、、、
「預貯金の管理だけを依頼したいのに不動産の管理まで記載さ れていないか」
「入院費や施設入所費の支払いのみを依頼したいのに全ての預貯金の管理が記載されていないか」
  などです。

注 意!

また、不動産の管理を委任する場合には、どこまでの管理なのかを明確にする必要があります。不動産の売却などの代理権を与えた場合、万が一、売却することとなった時の手数料を報酬とは別に後見人に支払う契約書もあるようです。十分に確認しないと膨大な出費とな ってしまいます。

後見人・後見監督人に報酬を払わなければならない

後見人の報酬

親族でもない限り、無料で後見人を引き受けてくれる人はいません。専門家に依頼すれば必ず報酬を支払うことになるでしょう。 報酬額は、任意後見契約の締結時に決定されることになります。自分が頼んだことに対して、その報酬額が適当な額かどうか十分に検討してください。

注 意!

任意後見契約時に前払い金などを請求する者もいます。 任意後見契約は、『本人』の判断能力が低下して、任意後見監督人が選任されてから始まります。報酬の支払いはそれからです。 また、『本人』が亡くなった後の残務処理(入院費の支払いなど)につい て、別の報酬を規定している契約もあるようですが、任意後見契約は『本人』が亡くなった時に終了するといっても、残務処理は、月々に支払われ る報酬の範囲内の事務と考えられますので、専門家のいうとおりの契約内容とする必要はありません。

任意後見監督人の報酬

忘れてしまいがちなのが、任意後見監督人の報酬です。 任意後見監督人の報酬額は、家庭裁判所が決定しますので、任意後見契約書の中には規定されません。報酬の支払いが後見人に対してだけではないこ とに注意してください。

※法定後見にも、監督人がつき、監督人の報酬が必要な場合がありますが、実際に監督人がつくのは、法定後見制度利用者の1割程度に過ぎません。その点、任意後見は、必ず監督人がつきますので、監督人への報酬支払いは必須となります。

判断能力が低下する前から財産管理の必要がある場合とは?

入院中または施設入所中である方の中には、判断能力が低下していない方であっても、親族がいないなどの事情によって、すぐに財産管理を誰かにお願いしなければならない場合があるかと思います。

そのような場合には、任意後見契約の締結と一緒に通常の事務委任契約を締結することで、不動産の管理や入院治療費、施設利用費の支払いなどの事務を委任することができます(もちろん、入院中や入所中だけの代理であれば、委任契約のみを交わして、任意後見契約まで締結する必要はありません)。

自分が死んだ後の葬儀や埋葬のこと、相続方法も決めたい場合

死後の事務処理のための委任契約を締結することも可能です。

生前発生した債務の支払いなどのほか、葬儀や埋葬などに関する事務を委任することも可能と考えられています。 委任契約は、委任者の死亡によって終了するのが原則ですが、死後の事務処理のための委任契約では、この原則を特約で排除したものと考えらます。

ですから、『本人』が死亡した場合でも契約は終了せず、委任した『本人』の地位を相続人が引き継ぎ、委任契約は、相続人との間で効力を持つと考えられています。

しかし、葬儀などの問題は、相続人の心情にもかかわることです。相続人によって契約を解除されてしまうことも考えられますので、その辺を十分に考えた上で契約を締結することが大切です。

さらに、遺言書の作成まで行っておくと、死後の財産の処分についても自分の意思を活かすことが可能となります。



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