成年後見制度解説 > 成年後見制度の基本 > 任意後見契約は必要か?

任意後見契約を勧められたのですが、必要なのか?

質問:任意後見契約が自分に必要なのか疑問があります。本当に必要な契約なのでしょうか?

私は、今はなんでも自分のことは自分ですることができます。しかし、賃貸アパートや有価証券をいくつも持っていますので、私に何かあったときに私の代わりにきちんと財産管理などをしてくれる人が必要なのではないかと妻に言われ、専門家に相談したところ、任意後見契約を勧められました。それで、その方と任意後見契約を締結したのですが、いろいろと調べているうちに、私に判断能力がなくなったら、法定後見制度を利用すればいいだけの話ではないか?という疑問が浮かびました。まだ、自分で管理できているのに、今から財産管理のお手伝いをしてもらい、私が死んだ後のことも決めましたが、それも私の妻や子供たちがやればいいことのような気がしてきました。

私に判断能力がなくなったときのことを考えると、このまま任意後見契約を続けておくべきかとも思いますが、もしかして不要なものではないのか?という思いが消えず、ご相談させていただきました。

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答え:自分の状況をよく考えて、内容も必ず吟味しましょう。必要のない契約はしないようにしましょう

成年後見という枠の中での契約ということで、『任意後見契約』が他の契約とは違うのかと思うでしょうが、あくまで契約ですので、ご自分の意思に基づくものでなければなりません。 自分に身寄りがない、あるいは、子の世話にはなりたくないといった方が、自分の将来が心配になり、専門家と任意後見契約を結ぶといった場合もあるかと思いますが、まず、何を援助してもらう必要があるのかを十分に検討しなければなりません。必要のないことまで契約の中に盛り込まれ、必要のない出費をしてしまうケースもあるようです。 専門家と契約を結ぶ場合であっても、親族との契約であっても、受ける側のペースで契約が結ばれるケースが多いようです。

自分にとって任意後見契約を結ぶことが必要なのか、結ぶとするなら「何を頼まなくてはいけないのか」をよく考えなければいけません。 たとえば、援助してくれる子や兄弟姉妹が多くいるのに、他の親族に頼んでいたり、任意後見契約の内容も確かめずに契約を結んでしまっったというケースも見受けられます。 場合によっては、全ての財産を他人に預けることになる契約です。「任意後見契約を結ばなくてはいけない。」という考え方ではなく、「信頼できる者がいたら財産を預けることを検討しましょう。」という考えから入った方がいいのかもしれません。

また、任意後見契約は、判断能力が低下して、受任者を監督するための任意後見監督人が選任されて、はじめてその効力が発生します。契約締結時点から財産管理のお手伝いをする契約は任意後見契約ではありません。また、亡くなった後の葬儀や埋葬などの手続きを依頼する契約も同時に結ばれるケースが多いようですが、これも任意後見契約ではありません。これらのセットが任意後見契約と勘違いしている方が多いようですが、任意後見契約は、「判断能力が低下したときから亡くなるまで」の間の契約です。

現時点では何でもできるのであれば、他人に任せる必要はありませんし、葬儀や埋葬などの手続きは、相続人となる方の心情等を十分考慮して対応すべきです。たとえば、「判断能力は低下していないけど、自分で銀行に行けなくなった。財産管理をすることが負担に感じるようになった」というような状況になった場合には、そのときに必要な契約を結べばいいことだと思います。

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