告訴告発・刑事事件 自転車事故

スマホ自転車事故は、重過失致死で書類送検

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スマホのながら自転車運転の不幸な事故です。

メディアでも比較的大きく取り上げられていたので、
ご存知の方も多いかと思います。

その事件について、神奈川県警が書類送検する方針を固めたとのことで、

今後、送検されると、検察が調べをして
起訴するか、不起訴にするかを決定することになります。



事故の概要

まず、どのような事故であったかというと、

20歳の女子大生が

・電動アシスト自転車を運転中に、歩行中の女性(77歳)をはねて死亡させた
・左手にスマホを持ち、ポケットに入れようとしていた
・右手に飲料を持ち、ブレーキをかけられる状態になかった
・左耳にはイヤホンをしていた
・前方を見ていなかったため、ぶつかるまで気づかなかった

と、両手放し運転をしていて、人にぶつかったということになります。

重過失致死罪とは

今回の送検予定にある罪状の、重過失致死罪とは、

わずかな注意で予見・回避できたのに、その注意をはらわなかったために
他人を死亡させてしまった罪のことで、

5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金が課せられます。

今回は、あまりにも過失が大きく、また、結果も相手方の「死亡」という
取り返しのつかない事件になってしまいました。

執行猶予はおそらくつくでしょうけれど、重たい判決になるのではないかと
思います。

損害賠償請求~民事事件

自転車の死亡事故損害賠償請求額の事例

刑事事件としては、これから検察の動き次第ですが、
今後、民事事件としての損害賠償などもあります。

過去には、自転車事故の損害賠償額として9000万円以上の額が
認められた判例もありますし、

今回のような事例ですと、4~5000万円の判例もあります。

歩行者と自転車の衝突裁判例

今回の事件で被害者が破産したら、損害賠償請求権は消滅するのか?

破産をすると、借金や債務がなくなりますが、すべてがなくなるわけではありません(免責されるわけではありません)

破産をしても免責されない債権のことを、「非免責債権」とよび、破産法253条1項に列記されています。

この中に、
3号(故意または重大な過失で加えた、生命・身体を害する不法行為)があり、

3号 破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。)

とあります。

不法行為の中でも、特別に、他人の生命・身体を害したものについては、「故意または重大な過失」による不法行為で生じた損害賠償請求権であれば、非免責債権となります。(「前号」には、生命・身体を害するもの以外の不法行為による損害賠償請求について規定されており、「悪意」をもって行った不法行為で生じた場合に非免責債権となるとなっています)

ですから、もし、加害者が損害賠償請求を受けたのちに、自己破産をした場合には、スマホと飲料を持ち、両手がふさがれたまま電動自転車をこぐ、という行為が、「故意または重大な過失」による不法行為であると判断されるかどうか、によって、免責されるかどうかが決まります。

「悪質な交通違反により生じた交通事故被害者の損害賠償請求権」については、非免責債権に当たる、と解されているため、刑事事件で重過失致死罪で送検されているところをみると、免責は難しいようにも思いますが、それはそのとき(破産するとき)の裁判官が決めることになるでしょう。

赤切符-罰金、前科がつく

どうしても、他人事のように感じてしまい、
自分が事故を起こすまでは、

「少しスマホを見るくらい・・・」

と、軽く考えがちな方は多いです。

こんな事件が昨年末に起きて、ニュースになっても、スマホを見ながら自転車を運転している人をよく見かけます。

でも、今回のように、死亡事故までいかなくても、

スマホを使いながら自転車を運転する行為は、指導警告を受ける行為で、さらに人身事故を起こした場合は「危険行為とみなされ」、交通切符(赤切符=罰金、前科がつく)が交付される場合があります。

絶対に、スマホ使いながらの運転はやめましょう。
また、お子さんたちにも、絶対にやめさせましょう。



自転車の交通違反と罰金について

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