不動産のトラブルホーム > 借地借家法の条文解説 > 第3章借家 第二節建物賃貸借の効力 > 第31条 建物賃貸借の対抗力

-条文目次- | 建物賃貸借の対抗力等(31条) | 借賃増減請求権(32条) | 造作買取請求権(33条) | 建物賃貸借終了の場合における転借人の保護(34条) | 借地上の建物の賃借人の保護(35条) | 居住用建物の賃貸借の承継(36条) | 強行規定(37条)

建物賃貸借の対抗力 (借地借家法第31条)

  1. 借地借家法第31条
  2. 建物賃貸借の対抗力
  3. 民法の準用
  4. 強行規定
  5. 一時使用目的の建物賃貸借について

借地借家法第31条 条文

建物の賃貸借は、その登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後その建物について物権を取得した者に対し、その効力を生ずる。

民法第566条第1項及び第3項の規定は、前項の規定により効力を有する賃貸借の目的である建物が売買の目的物である場合に準用する。

民法第533条の規定は、前項の場合に準用する。

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建物賃貸借の対抗力

建物の賃貸借の第三者に対する対抗要件は

です。賃貸借登記がなくても、賃貸借してからその建物を取得した第三者に対して、賃貸借の効力があります。(地上権)

ですから、建物が相続・競売・売却などされて、所有者が変わっても、あとから所有者になった人に対して、このまま賃借し続けることを主張することができるのです。

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民法の準用

民法第566条の第1項、第3項の規定(地上権等がある場合の売主の担保責任について)は、建物を「売買」によって取得した新しい所有者を保護するためにあります。

買主は、建物に賃借人が既に住んでいるにもかかわらず、賃借人がいることを知らず、かつ、そのために購入した目的が果たされない場合には、「売買契約」を解除することができ、また、解除できない場合は、売主(前所有者)に対して損害賠償請求をすることができます(民法第566条第1項)。(解除・損害賠償請求は、買主が賃借人がいることを知ってから1年以内にしなければなりません(民法第566条第3項))。

このように、買主の権利が、売買契約の解除と売主に対する損害賠償請求に限られていますので、賃借人が所有者の変更によって不利益を被る心配はありません。

また、契約解除や損害賠償請求をしたとき、買主は同時履行の抗弁権を行使することができますから(民法第533条)、売買代金の支払をしていなければ、それをせずに解約をできますし、支払った場合には、解約して代金が返還されるまでは建物の所有者であります。

民法 第533条(同時履行の抗弁) 

双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。

民法 第566条(地上権等がある場合等における売主の担保責任)

 売買の目的物が地上権、永小作権、地役権、留置権又は質権の目的である場合において、買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる。

2 前項の規定は、売買の目的である不動産のために存すると称した地役権が存しなかった場合及びその不動産について登記をした賃貸借があった場合について準用する。

3 前2項の場合において、契約の解除又は損害賠償の請求は、買主が事実を知った時から1年以内にしなければならない。

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強行規定

第37条に31条は強行規定である旨が規定されているため、賃借人(借主)にとって、この条文よりも不利益な特約を結んだ場合、その条文は無効になります。

この第31条では、賃貸人の対抗要件が規定されていますが、法律上、要件をそろえていれば保証されるべきものですから、それを無視して大家や第三者が権利侵害をすることはできません。

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一時使用目的の建物の賃貸借について

第40条に31条の規定は、一時使用のために建物の賃貸借をしたことが明らかな場合には、適用しない旨が規定されています。

ですから、一時使用の賃貸借の借主は新しい所有者が退去を求めた場合には退去しなければなりません。

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借地借家法-目次

第1章 総則(趣旨・定義)

第2章 借地

 第一節 借地権の存続期間等

 第二節 借地権の効力

 第三節 借地条件の変更等

 第四節 定期借地権等

第3章 借家

 第一節 建物賃貸借契約の更新

 第二節 建物賃貸借の効力

 第三節 定期建物賃貸借等