行政書士小野総合法務事務所

 成年後見制度解説 > 法定後見制度とは? > 保佐とは?対象者と保佐人の権利

保佐とは(対象者と保佐人の権利)?

  1. 「保佐」という類型
  2. 「保佐」の対象者
  3. 保佐人の権利(同意権・取消権・追認権・代理権)

「保佐」という類型

『保佐』は、認知症や精神障害・知的障害などの影響によって、判断能力が著しく不十分な者(本人)を保護するため、本人に保佐人を付ける制度です

保佐人は、『本人』が保佐人の同意を得ることが必要とされる行為関して、取り消すことができます。

また、家庭裁判所は、保佐人に特定の行為について代理権を与えることができます。


家庭裁判所へ保佐開始の申立て
保佐人の選任
↓                       ↓
同意権・取消権
保佐人の同意を得ることを要する行為が法定され、同意を得ないでした行為は取消すことができます。本人の状態によっては、同意を要する行為の拡張(増やす)も可能です。この場合には、同意権付与の申立てを行う必要があります。
代理権
本人の状態によっては、保佐人が本人の代理をしなければならない場合があります。その場合には、代理権付与の申立てを行う必要があります。保佐人は与えられた代理権の範囲で本人を代理します。

「保佐」の対象者

判断能力が著しく不十分な者』です。(民法第7条)

保佐人の権利(同意権・取消権・追認権・代理権)

1.同意権

保佐人をつけなければならない人は、「判断能力が著しく不十分で、自己の財産を 管理・処分するには、常に援助が必要な程度の者」ですので、法律で、『保佐人の同意を得ることを要する行為』が定められています。

法定されているものはもちろんのこと、同意を必要とする行為を増やすこともできます。

保佐人の同意権について。法律で定められた同意を必要とする行為

2.取消権

『本人』が、保佐人の同意が必要にも関わらず、同意を得ずにした行為は、『本人』も保佐人も取り消すことができます。

取消権行使の効果

取り消された行為は、初めから無効であったとみなされるので、『本人』は取消権を行使した時点で残っている利益(現存利益)だけを返還する義務を負います。

現存利益の返還の考え方

有体動産や不動産は、現状で返還します。 金銭の場合、遊興費等に浪費したときには、現存利益はありませんが、生活費その他の有益な出費に充てられたときは、それだけ他の財産の減少を免れているので、現存利益があるということになります。したがって、これを返還しなければなりません

3.追認権

追認とは、『取り消すことのできる行為』を、取り消さずに、後から承認することです。追認をすると、その行為は初めから有効であったものとみなされます。(民法第122条)。

ですから、行為が『本人』の利益を損なうことはない場合は、保佐人は追認することができます

追認は、直接、相手方にその旨の意思表示をすることによって行います(民法第123条)。

追認権行使の効果

追認をした行為は、初めから有効であったとみなされ、取消すことはできなくなります。それによって、『本人』がした行為を確定し、取引の安全を確保することができます。

4.代理権

保佐人には、『本人』に代わって一定の行為をする代理権はないのが原則ですが、家庭裁判所は、 『本人』のために、特定の行為について保佐人に代理権を付与する旨の審判をすることができます。

ただし、保佐の対象者は、判断能力が不十分とはいっても、ある程度の判断能力がありますし、『本人』の行った不利益な行為については、同意の制度によって保護されていますので、代理権が必要かどうかの判断は『本人』がします

そのため、『本人』以外の人の申立てによって、代理権を与えるには、『本人』の同意が必要となります。

代理権の対象とならないもの

婚姻、認知、嫡出認否等の身分行為や、医療同意等の一身専属的な行為は、代理権の対象とならず、遺言についても除外されます。

代理権を付与される特定の代理行為(参考)

≪財産管理関係≫

≪相続関係≫

≪身上監護関係≫

≪登記・税金・訴訟≫

≪その他≫


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