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獣医師の医療ミスの損害賠償請求

ペットを獣医師に診せ、手術が必要といわれ手術をしたものの、ペットが間もなく死んでしまったというケースの場合、どこまで獣医師の責任を追及できるでしょうか

  1. 債務不履行責任の損害賠償請求
  2. 善管注意義務違反の行為と因果関係
  3. 不法行為による損害賠償請求
  4. 時効の問題
  5. 獣医師がミスを認めている場合の損害賠償請求方法
  6. 医療ミスを他の獣医が示唆している場合の損害賠償請求方法

債務不履行責任の損害賠償請求

獣医師は、動物の診察をし、獣医学的に必要な検査・処置をしなければなりません

また、治療方法に選択肢がある場合は、飼主が自分のペットの適切に治療法選択ができるよう、飼主の自己決定権行使の前提となる説明をしなければならないという説明義務があります。飼い主は獣医師がどのような目的をもって動物を治療をしているのかを知る権利がありますし、どのような治療を受けさせるのかを決めるのは、飼い主であって獣医師ではありません。

飼い主にした説明と異なる治療を飼い主の承諾なく行った場合なども、獣医師の説明不足とされます。

獣医師がこのような義務に達反した場合は、債務不履行責任(民法415条)を問われ、損害賠償請求の対象となります。

>>獣医のインフォームドコンセント、獣医に確認すること・説明してもらうこと

善管注意義務違反の行為と因果関係

獣医師に善管注意義務違反があるかについては、平均的な獣医師であればするであろう検査等をしたか、処置は適切であったか、薬の処方は適切であったかなどが問題になります。

さらに、損害賠償請求をするには、獣医師の善管注意義務違反の行為とペットの死亡等の損害との間に因果関係があることが必要になります。因果関係とは、獣医師のミスがなければペットの死亡等の結果がなかったであろうという原因・結果の関係をいいます。

獣医師のミス、たとえば獣医師がペットのガンを見落としたとしても、ペットのガンが末期で救済できない時点での診療であった場合には、獣医師のミスの有無にかかわらず死という結果は避けられないので、獣医師のミスとペットの死亡に因果関係はないことになります。

善管注意義務違反があっても、因果関係がなければ損害賠償請求はできません。

不法行為による損害賠償請求

契約上の責任がなくても、故意または過失による違法行為により他人に損害を与えた場合、民法上の不法行為 (民法709条) に当たり、損害賠償請求をすることができます。

この場合は故意または過失があったかが重要な争点になりますが、不法行為責任を問う場合の故意または過失の立証と、前述した債務不履行責任の場合の善管注意義務違反の立証とはほぼ重なるので、どちらの責任に基づく追及のほうがよいということは必ずしもありません。

時効の問題

責任追及できる時効時間については、債務不履行責任は債務の履行期から10年(民法167条1項)、

不法行為責任は被害者等が損害および加葺を知った時点から3年、行為の時点から20年(同法724条)となっており、異なることに注意が必要です。

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獣医師がミスを認めている場合の対応

獣医や病院がミスを認めている場合、原因・結果の因果関係を証明する必要がありませんので、説明等をしっかりと受け、できることをしてもらいましょう。

初歩的なミスが原因での損害賠償範囲

動物の治療は、飼い主と獣医師との間の準委任契約(民法656条)に基づいて行われることになります。

この準委任契約については、獣医師には善管注意義務が要求されています(民法644条)。
  ⇒獣医との契約・獣医との義務

この善管注意義務を果たしていれば回避できたミスが原因で、ペットが死んでしまったり、ケガをしてしまった場合は、獣医や病院がその全責任を負うことになり、損害賠償請求に応じる義務があります。

など、が含まれます。

損害賠償をしてもらう手順

まずは、示談書や合意書などタイトルはどちらでもよいですが、損害の内訳と賠償金額を書面にしてもらいます。

ミスを認めているわけですから、相応の金額を提示してくるでしょう。

しかし、内容に納得いかない場合は、次の手順で進めていきます。各段階で合意できればよいのですが、ミスを認めてはいても、その賠償の方法や金額に合意がいかない場合もあります。

  1. 内容証明で獣医が認めているミスやペットの状態などを記し、納得いく結果を要求します。
  2. 話し合いや、書面交渉をします。
  3. 民事調停を簡易裁判所に起こします。
  4. 裁判で、合意点を探ります。

医療ミスを他の獣医が示唆している場合

手術や治療をした獣医や病院は医療ミスを認めていないが、他の獣医に相談したところ治療方法自体ミスがあることが判明した場合、納得できるまで書面にしながら説明を受けましょう。

治療法のミスを指摘してくれた獣医から詳しく聞く

まずは指摘をしてくれた獣医師からできる限り細かな情報を入手します。もちろん、忘れないように、勘違いをしないように、情報は必ず書面にしていきます。

また、今はインターネットなどでかなり詳しい情報を得ることができますから、自分のペットの病気や治療法、同じ病気の動物がどのような治療を受け、その経緯はどのようなものなのかなど、調べます。

その他、できる限り、知識を蓄えましょう。

セカンドオピニオンの解剖や、病名・手術ミスの検証

可能であれば、「病名は正しかったか」、「手術にミスはなかったか」などの検証をしてもらったり、解剖をしてもらう

治療をした獣医から聞き取りをする

手術や治療をした獣医師が自分のミスを認めず、言い逃れをすることも考えられます。

何も知識がないままだと、獣医師の言っていることの矛盾や問題点に気づくことができませんので、事前にしっかりと調査し(調査が間に合わなかったとしても)、必ず説明されたことは書面にしておきましょう。

医療ミスを示唆してくれた獣医師と治療をした獣医師の言っていることが異なったり、矛盾点が見つかると思います。

ミスを明らかにしていけば、損害賠償の請求ができる可能性が高くなります。

ミスを認めさせ、賠償請求に応じてもらう

次の順序でミスを明らかにしていき、納得のいく結果をめざします。

  1. 内容証明郵便で、治療をした獣医のミスや矛盾点を明らかにし、ミスが原因となって、ペットの状態が悪化もしくは死亡したことを証明します。納得いく損害賠償請求をします。
  2. 話し合いや、書面交渉をします。
  3. 民事調停を簡易裁判所に起こします。
  4. 裁判で、合意点を探ります。

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